LION ライオン 25年目のただいま
原題: Lion
監督
出演
- デーヴ・パテールサルー・ブライアリー
- ニコール・キッドマンスー・ブライアリー
- ルーニー・マーラルーシー
- デビッド・ウェナムジョン・ブライアリー
公開日
2017/1/6
レイティング
脚本家
キーワード
あらすじ
オーストラリアの夫婦に引き取られたインド出身の5歳の少年。25年後、彼は失われた家族を探しに旅立つ。…
ネタバレ・あらすじ
「LION/ライオン 25年目のただいま」。
近くの線路へ出かけ、走ってきた貨物列車に飛び乗った2人は、積まれていた石炭を用意していた風呂敷に詰め込みます。
つまり石炭泥棒です。
幼い妹シェキラもいる家庭は貧しく、シングルマザーであるカムラは夜中にもかかわらず、採石現場で働かなければなりません。
グドゥはサルーをベンチに寝かせると「仕事を見つけてくるから、ここで待ってろ」と声を掛け、グドゥはプラットホームから降りてその場を去ります。
自分の村「ガネストレイに帰りたい」と伝えるものの、そこは同じインドでもサルーの用いる言語とは違うベンガル語を使う地域で、駅員に助けてもらうこともできず、仕方なく彼は駅の構内にいたホームレスの少年の群れに合流。
最初は心を許していたサルーでしたが、ヌーレは「翌日に人助けが好きなラーマという男性が来て、お母さんのところに連れて行ってくれる」と言います。
それから2ヶ月が過ぎたころ、ごみの中からスプーンを拾って街中のレストランの前に座っていたサルーは、店内で一人食事をする男性の食べる真似をしていたところを声を掛けられ、警察に保護されます。
サルーの事をカルカッタ中の新聞広告に出したものの家族からの反応がなかったこと、もう家族とは会えないだろうということ、そして養子としてオーストラリアの家庭に貰われる事になったという事実を知らせるのです。
しかし、サルーに続いて養子として貰われたマントッシュは過去に虐待を受けていたせいか、精神が不安定になるとかんしゃくを起こします。
自分の生まれ故郷を探すことは、最初は軽い気持ちでしたが、徐々にそれは妄執に変わり、やがて恋人ルーシーもそっちのけで探索行為に熱中していました。
ルーシーはスーの具合が悪いことをサルーに話しますが「生母を探すのはママへの裏切りだ」と彼は言い、会うのをためらいますが、「そう思う方ではないわ、支えてあげて」とルーシーは言います。
ある時パソコンを開いてグーグルマップを見ていると、兄とはぐれた駅や給水塔を偶然見つけたことから、ついに自分の住んでいたガネストレイを見つけます。
「ママが悲しむと思って話さなかった、本当は話したかった」とサルーは言いますが、スーは『お母様に見せたいわ、立派になった息子を』と言って喜んでくれました。
また、サルーのその後ですが、オーストラリアで会社員として働きながら、養子縁組の支援もしつつ、インドにもたびたび訪れ、2人の母を支えているということです。
1986年、インドのカンドワ。
荒涼とした丘腹の道を歩いてゆく幼い男の子。
たくさんの黄色い蝶が湧いたように飛んでいて、盛んに彼の体にまとわりつきます。
男の子の名前はサルー、5歳です。
やがて丘の上にもう一人少年らしい人影が現れ、サルーに合図をします。
彼はサルーの兄グドゥです。
列車に乗っていた警備員に追われるものの、うまく逃げ切り、町で石炭を牛乳に換えてもらうことに成功。
サルーは近くで売られている揚げ菓子・ジャレビも欲しがります。
しかし、お金のない彼らには贅沢品でした。
兄弟は遠い道をたどり、母親カムラの待つ家へ。
翌朝になるとグドゥも仕事に行くことになりますが、サルーもついて行くと言って聞きません。
仕方なく、グドゥは弟を自転車に乗せて駅へ。
そこで一緒に列車に乗り、到着した駅で降車。
夜も遅く、その時にはサルーはすっかり寝入っていました。
やがて時間が経ち、サルーが目を覚ますと、真っ暗になったプラットホームは無人で、グドゥが戻って来る気配もありません。
不安になったサルーはグドゥを探してドアの開いている列車に乗り込みますが、幼いサルーは車内で再び眠ってしまいます。
目が覚めると、驚いたことに列車は動き出していました。
降りようにもドアはロックされていて、運転席に向かうことも出来ません。
サルーは仕方なく列車が停まるまで待つ羽目になります。
1600キロを延々と走った後、列車はようやく停車駅・カルカッタ(現在のコルカタ)へ。
通勤ラッシュ時なのか、大勢の乗客が続々と乗り込んできます。
それをかき分けて駅へ降りたサルーは、全く見たことのない駅の様子に戸惑います。
眠りについているとホームレスの少年たちを拉致する大勢の大人がやってきたため、サルーは駅から必死で逃げ出します。
川のほとりで見つけたお供え物で飢えをしのぎ、そのまま眠りにつきました。
それからしばらく経って、サルーが線路をブラブラしていると、ヌーレという女性に声を掛けられ、迷子になったことを話します。
優しそうな彼女に付いてそのアパートの部屋へ。
食べ物やジュースをもらい、体も綺麗にしてもらいます。
しかし、やはりサルーを拉致しようとする怪しい男が姿を見せたため、警戒した彼は走って部屋を逃げ出すのです。
保護されたサルーでしたが、ガネストレイという場所がどこなのか、そして母親の名前もわからず、国の経営する孤児院へ行くことに。
そこは、孤児たちへの食事の配給や読み書きの授業はきちんと行われていますが、決して環境が望ましいとは言えません。
そこで我慢するうち、ミセス・スードという人権活動家の女性が面会にやってきます。
サルーは納得できませんが何も出来ず、その手続きに従うだけでした。
ミセス・スードから食事の作法や簡単な英語などを教わった後、サルーはいよいよ里親のいるオーストラリアへと旅立ちます。
そこでスーとジョンのブライアリー夫妻に会い、その子供となるのです。
夫妻は優しくサルーも行儀よく彼らに接し、何の課題も無く1年を親子として過ごしました。
その後マントッシュはブライアリー夫妻に世話を焼かせることになります。
それから20年が経ちました。
サルーはブライアリー夫妻の元でたくましく成長しました。
サルーの大学進学を祝って夫妻と共に祝杯をあげます。
しかしそこにマントッシュの姿はありません。
彼は家を出て一人で生活をしていましたが、夫妻やサルーとはうまくいっていない様子でした。
サルーはマントッシュに会いに行き、ママを悲しませるなと忠告します。
2008年、サルーは夫妻の住むタスマニアを離れ、ホテル経営を学ぶために1人メルボルンの大学へ進学していました。
やがてクラスで知り合ったルーシーという女性と付き合うようになります。
そして、彼女と一緒にクラス仲間の部屋へ行ったとき、サルーの生活に転機が訪れます。
台所で見た食べ物がそのキッカケでした。
それは昔食べたくて仕方なかった揚げ菓子・ジャレビだったのです。
このことによって、今まで忘れていた幼いころの記憶が蘇ります。
生き別れとなった母、兄、妹。
彼らは今どうしているのか……。
サルーはグーグルマップを使い、ガネストレイにあった給水塔など、蘇った記憶を手掛かりに、自分の生まれ故郷を探し始めます。
2010年、タスマニア。
サルーとルーシーは共に夫妻のもとを訪れていました。
今も仲よく寄り添う2人。
ルーシーは実の家族のことをスーとジョンに聞いてみることをサルーに勧めますが、彼は躊躇します。
夕食にマントッシュが訪れます。
サルーを挑発する彼に「僕らは兄弟じゃない」と言うとマントッシュはかんしゃくを起こします。
サルーは「ママへの態度が許せない」と言うものの、その場の空気は悪くなってしまいます。
そして彼らの仲は壊れてしまうのです。
母や兄妹は今も必死に自分を探しているに違いないと思うサルーは、自分だけが不自由なく生きていることに苦悩します。
「LION/ライオン 25年目のただいま」結末・25年目の事実 探索は難航し、サルーは仕事も捨て、世捨て人のようになります。
ある日ジョンから、ママの具合が悪く、マントッシュがまた消えたとの話を聞きます。
そして仕事を辞めたサルーのことが心配だと。
しかしサルーはそれを聞き流します。
街中で偶然ルーシーと再会したサルー。
「君が恋しい」と伝えるものの、ルーシーはそれを受け入れませんでした。
スーの元を訪れたサルー。
2人はゆっくり会話を始めます。
果がこれだ。
」『子は持てたのよ。
でも産まずに、2人の養子をもらおうと夫婦で決めたの。
あなたたち2人を家族にして生きていこうと。
ジョンと結婚したのも同じ考えだったから。
世界は人で溢れてる。
子供を産んで世界が良くなる?
不運な子供たちを助けるほうが意義がある。
』「それで苦しむことになったのに」『苦しみはどうでもいいの。
私の生きる道はこれしかなかった、だからこうなった。
」 スーは過去の自分に起きたことをサルーに話し、『これが正しいと生きてきた。
だからこの家族の幸せにも確信が持てた。
でも今は迷いがある。
どうなってしまうのか。
あなたは口もきかない。
力になってサルー』と言います。
サルーは改心し、マントッシュの元を訪れます。
そして眠るマントッシュに謝罪するのでした。
その後も実の家族を探し続けたサルー。
サルーの記憶にあった村の本当の名前はガネストレイではなく『。
ガネッシュ・タライ(Ganesh Talai)。
』だったのです。
その村はガネーシャ・タライとも呼ばれるインド中西部カンドワにある村です。
その事をルーシーに告げると、彼女はとても喜んでくれました。
そしてサルーは育ての母親スーにもついに伝えます。
2012年、サルーはついに生まれ故郷であるインド・カンドワへと向かいます。
生き別れとなってから25年の歳月が過ぎていました。
村の路地の景色には確かな記憶があり、サルーはまっすぐ自分の家へと歩みを進めます。
しかし、そこはヤギのいる家畜小屋に変わっていました。
落胆していると、村の女性が通りかかります。
サルーは英語で話しかけますが言葉は通じません。
25年の年月でサルーはヒンディー語は忘れてしまっていました。
するとそこへ英語の通じる村の男性がやってきます。
そしてかつてここに住んでいたこと、グドゥ、カルゥ、シェキラ、そして母を探していることを伝えます。
男性の道案内でとある路地へ。
すると、道の向こうから女性の集団がやってきます。
その中にいる老女に見覚えがありました。
間違いなく母親のカムラでした。
「ずっと探していたのよ」と母は泣いて伝えます。
「許して」とサルーは繰り返し、その昔スイカを運んでいて負った頭の傷跡を見せて親子であることを確かめ合います。
生きて再会できるとは思っていなかった2人は村人たちに祝福される中、25年ぶりに抱き合い、涙を流します。
そこには妹のシェキラも一緒でした。
しかし、兄のグドゥの姿はそこにはありませんでした。
「神の所へ行った」とのことでした。
サルーは育ての母スーに電話します。
「僕は無事だよ、答えが全部見つかった、何もかも解明された。
母は僕を育ててくれたママに感謝してる。
あなたたちが僕の家族で、僕が生きてただけで幸せだと、ママはいつまでも僕のママだ。
心から愛してるよ、ママ。
パパもね。
マントッシュも。
」 サルーは幼いころ歩いた線路に立ち、兄グドゥのことを思い出すのでした。
兄のグドゥはサルーが迷子になった日、すぐ近くで別の列車にはねられて死んでいたのです。
母カムラはサルーの帰りを信じて遠くへは引越さなかったのです。
そしてサルーは意外なことを知らされます。
実は彼の名前「サルー」というのは5歳の彼が間違って覚えていたものでした。
本当の名前は「シェルゥ」。
その意味は「ライオン」です。
2013年、ガネッシュ・タライには、育ての母スーの姿がありました。
サルーとスー、そしてカムラの3人は抱きしめ合い、喜びを分かち合うのでした。
「インドでは行方不明になる子供が毎年8万人以上。
この映画を通して世界中の恵まれない子の救済活動を支援しています。
」というメッセージと共に映画は幕を閉じます。
※補足 映画の中でサルーのもう一人の兄カルゥの生存には触れていませんが、25年間、彼が母と妹を支えてきたとのことです。